銀河のリズム、地上の鼓動 ―魂職に出会うまで ④皇の時代に占いはなくなる
風がやわらかく吹く午後。
ミカはユウの部屋を訪れていた。並べられた観葉植物と静かな音楽、ラベンダーの香り。ミカはその空間に入った瞬間、自然と呼吸が深くなり、とても穏やかな気持ちになった。
波動設計セッション

「今日は…私にしてくれるのは”占いじゃない”って言ってたよね?」
ミカがそう言って微笑むと、ユウも小さく笑った。
「うん。占いじゃなくて、“波動設計”っていう、新しいセッションをやってみたくてね。ミカに一番最初に受けてほしかった」
「波動設計って?」
ユウはうなずいて、テーブルの上のノートを開いた。
「ホロスコープも見るんだけど、ミカの中の“音なき音”も感じ取って、どうすれば本来のあなたに戻れるか、その設計図を一緒に見つけていく…って感じかな」
「へぇ〜おもしろそう」
ミカは椅子に深く腰を下ろした。ユウは彼女の前に座り、静かに深呼吸をした。部屋の空気が、すっと澄んでいく。
「じゃあ、今のミカの“波動”を見ていくね。エネルギーの状態を重ねて、響きを感じ取ってみる」
ホロスコープの配置と、ミカの持つの周波数、体の緊張の癖…そのすべてがユウの感覚にひとつの“音”として現れてきた。
「……ミカ、あなたの中心に、とても澄んだ“喜び”の音がある。でも、それが奥に押し込められていてね。代わりに“誰かのために頑張らなきゃ”っていう緊張の層が、今のあなたを包んでる」
ミカは目を見開いて、ぽかんとした表情になった。
「……それ、めっちゃ当たってると思う」
「当てたわけじゃないよ。ミカの音なき音が、ただ響いてきたの」
ユウは優しく微笑む。
「ミカには、声の響きや言葉で人の内側を震わせる力があると思うの。でもそれを自然に発する前に、“人の役に立たなきゃ”って思い込んで、無理してる部分があるの。本当は“自分が楽しい”が一番大事なんだよ」
ミカはその言葉を聞いた瞬間、心の奥がじんわりとほどけていくのを感じた。誰かに「それでいい」と言ってもらいたかった。でもそれ以上に、自分の中にその感覚があったことに気づいて胸が熱くなった。
「わたし、ほんとは……楽しみたかった。喜びで、みんなと響き合いたかったのに、すぐ“楽しいだけじゃダメなんだ”って思っちゃうの。怖かったんだ、誰かの役に立っていないと、自分が、ちゃんと受け入れてもらえないって」
ユウは頷いた。
「大丈夫。それが、皇の時代なんだよ。自分の喜びを通して、自然にまわりと響き合える」
ミカはそっと目を閉じ、自分の胸に手をあてた。
そこには、確かに“音”があった。内側からわきあがる、ふるえるような、でも確かな音。
「ユウ、わたし……ただ楽しいっていう理由だけじゃ、ダメなんだと思っていたけど、“ひびきの輪”で参加者さんたちとの何気ないお喋りがとっても好きなんだ」
ユウはうれしそうに微笑んだ。
「うん、それが魂職の入り口かもね」
窓の外には、陽射しと、風に揺れる木々。
2人の間に、新しい響きが生まれていた。
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