【皇の時代】魂の旋律が、言葉を超えて触れ合うとき③リトリート2日目~本音という光を携えて

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朝、湖畔に柔らかな霧が立ち込めていた。鳥たちのさえずりが、ペンションの木の壁に反響して、目覚ましのように静かに響く。

ユウがそっと窓を開けると、ひんやりした空気と一緒に、草木の匂いが流れ込んできた。

「…きれい」

カーテンの向こうでミカが眠たそうに起き上がる。リビングに降りると、既にアイがテーブルを囲んで、ペンションのご主人と奥さんと話し込んでいた。

「おはよう、ゆっくり眠れた?」

アイの声が柔らかい。ユウとミカも席につくと、奥さんが笑顔でミントティーを出してくれた。

「この場所はね、自分たちが心をほどける場所を作りたくて始めたの。ここに来る人は、なぜか本音を思い出してしまうみたいなのよ」

「本音…」とミカがぽつりとつぶやいた。

「ねぇ、わたし思うんだけど…人って、ほんとうは“自分の本音”に向き合うことが、一番怖いんじゃないかな」

ユウが少し考え込むようにしてうなずいた。

「うん。自分で本音を隠してることにさえ気づかないようにして、無意識にフタをしてる。だって、見ちゃったら崩れてしまいそうで…」

「でもさ」

ミカが、カップを両手で包みながら、ゆっくりと言葉を続けた。

「これからの“皇の時代”って、自分自身に正直になることが大事になるんでしょ。それができなきゃ、自由も自立も手に入らないって」

アイが静かに目を閉じてから、言った。

「そうだね。本音に何があるかを、ちゃんと見つめて、心を整えて、清らかな意図で動けるようになること。それが“魂職”につながるんだと思う。自分を偽ったままじゃ、響かないし、続かないよね」

ユウが笑った。

「でもね、自分では“隠してる”つもりでも、バレてるよ。ちゃんと周りに」

3人の間に、ふっと笑いが広がる。

「あるよね~!なにか抱えてるなってわかっちゃうとき」

「そうそう。大丈夫って言ってても、目が泳いでるとか、口調がぎこちないとか」

「私たち、アイの農場で出会ってから、ずっとお互いを観察しあってきたのかもね。見守るように、そして、ちゃんと感じ取ってた」

「うん…そうやってそれぞれの変化や成長を、少しずつ見てこれた。だからこそ、本音をさらしても安心できる。そんな友達、なかなかいない」

アイが、しみじみとした声でつぶやいた。

「信頼って、こういう時間の中で育っていくんだね。見えないけど、確かにある関係」

「個性はそれぞれだけど、わたしたち、鏡みたいだと思う。互いに、映し合ってる感じ。本当の姿を教え合える」

「……会社員から農家になったって、結局わたし、“着ている服”を変えただけだったのかも」

ミカとユウが顔を上げる。

「農業がやりたかったというより、“親の期待に応えたい”っていう気持ちのほうが強かったのかもしれない。自分の意志で選んだつもりだったけど……また“誰かのため”を優先してたのかも。ミカの言葉で、気づいちゃったんだよね」

ミカは一瞬、言葉を失ったまま、アイの顔をまっすぐ見つめていた。

「ごめん、ミカ。わたし、怒りたかったんじゃない。ただ……悔しかったの。自分の本音をずっと見ないふりをして、勝手に閉じていたから」

ミカの目に涙が浮かんだが、笑顔でうなずいた。

「大丈夫だよ、アイ。気づけて、ほんとうによかったね」

ユウが、静かにふたりの様子を見守ってから言った。

「ミカ。」

呼ばれて、ミカが振り返る。

「ミカは、思っていることと話していることが一致しているから、強いエネルギーが宿った言葉が自然と出てくるの。それは、誰かを励ますこともできるし、傷つけてしまうこともある。……だから、どんな“響き”を出すか、自分の声が持つ波動を意識的に感じる必要があるのよ」

ミカの目が、真剣な光を帯びる。

ユウは優しく微笑んだ。

「無意識のままでいるとね、空の流れや天体の配置に引っ張られて、自分でも思いがけない方向にエネルギーが動くことがあるの。声は、その人の魂や波動、内面を映し出すからこそ、どんなときも、自分のエネルギーや力の流し方を、自分で選べるように“自分の中心”とつながっておくことが大事なの。」

ミカは、そっと息を吐いた。

「……もっと学びたい、自分が、どんな“波”を生んでいるのか、ちゃんと知りたい」

アイが深く息を吸い、ミカの手をそっと取った。

「あなたたち、本当にいい響きをしてるわね」

キッチンから料理を運んできた奥さんが、ふとそんな言葉を口にした。

「響き…ですか?」

ミカが首をかしげると、奥さんはにこっと微笑んで言った。

「ええ。目には見えないけど…ああ、この人たちは深いところでつながってるなって、わかるの。まるで、再会を喜び合ってるような空気だったから」

ユウが息をのんだ。

「再会…?」

奥さんは湯気の立つスープを差し出しながら、こんなふうに続けた。

「もしかしたら、あなたたち、前世でも一緒だったんじゃないかしら。いえ、“前世”というより、“魂の連なり”って言ったほうがいいかもしれないわね。深く響き合う魂たちは、時代や形を超えて、何度でも出会い直すのよ。ちゃんと、それぞれが必要なタイミングで」

その言葉に、3人の心がゆっくりと沈黙に沈んだ。

——どこかで聞いたことのあるような、でも思い出せない記憶。

ミカは自分の胸に手を当てた。

「たしかに…最初に会ったとき、なぜか懐かしい感じがした。何も知らないはずなのに、安心できるっていうか…」

「わたしも。アイの声を聞いた瞬間、涙が出そうになったの」

ユウの目も潤んでいた。

アイは黙ってうなずいたあと、静かに言った。

「じゃあ、今夜は…今ここにある“本音”だけじゃなくて、その奥にある、魂からの声に耳を澄ませてみよう」

ミカとユウもうなずいた。

3人の中で響きあった本音たちが、今、やさしい光になって広がっていった。

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