【皇の時代】魂の旋律が、言葉を超えて触れ合うとき④ 満月の前の静寂[共鳴小説]

共鳴小説
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ペンションの庭先には、ゆるやかな午後の日差しが注いでいた。3人は、それぞれ思い思いの場所へと散っていった。

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ことばより深く届くもの

ミカはペンションの裏の庭の木陰にあるガーデンテーブルでひとり静かにノートを開いていた。
小鳥のさえずりと、遠くで草を揺らす風の音。
それに耳を澄ませながら、ノートにユウから言われた言葉を書きとめていた。

声や言葉はエネルギーの表れ
その響きには、自分でも気づかない“本音”が宿る
ただ正直なだけでは傷つけてしまうこともある
自分の声に宿るエネルギーを見つめる

「私のエネルギーって・・・?」

ティーポットとカップをトレーに乗せてペンションの奥さんがやってきた。

「はい、お茶どうぞ。ミカさん、風の音に、耳を澄ましていたの?」

ミカは少し照れたように笑った。

「ええ……なんていうか、ことばにしようとしても、
すぐには言葉にならない気持ちがあるっていうか……」

奥さんはミカの正面のイスに腰掛け、庭の草花を眺めながら言った。

「そうねぇ。人間って、ほんとうの想いは、ことばよりも“音”として先に生まれてくる気がするの」

ミカが顔を上げた。

「音ですか……?」

「そう。声ってね、ただの音じゃなくて、その人の今の心の状態とか、言葉にならない想いがそのまま振動として出るのよ。その人の魂の振動そのもの。
周波数っていうと少し難しいかもしれないけど……空気の震えの中に、その人の“今”がぜんぶ詰まってるの。声の周波数には、無意識の状態まで反映されるから、そこに嘘はつけない。むしろ言葉よりも、本当の心が出てしまうこともあるのよ」

ミカの胸に、ゆっくりと何かが沁み込んでいく。

「だからこそ、どんな想念がそこにあるかが大事なの。どんなに言葉を選んでも、心の奥にあるものは音として伝わってしまい、聞く人の脳や神経に無意識のうちに影響を与えるの。」

ミカはゆっくり頷いた。
「……はい。私、知らないことばかりです」

奥さんは笑って、ミカの手にそっと触れた。

「大切なのは、理屈や知識を詰め込むことよりも、感じる力や素直さがあること。ミカさんは、自分の感覚に正直に生きているのね。むしろ知らないからこそ純粋に体現できている人もいるのよ」

奥さんは、カップに注いだ紅茶をそっと差し出した。

「ね、せっかくだから、感じてみて? この香り、いま、どんなふうに胸にひびく?」

ミカは静かに目を閉じ、湯気を吸い込んだ。
胸の奥が、ぽっと温かくなっていくのを感じながら――

星との対話の中で

ユウは静かな部屋の一角で、ホロスコープと向き合っていた。
今夜の満月は、山羊座の位置。深く、感情の底を揺らす配置。
「隠していた本音が、浮かび上がる」――星々はそう告げていた。

私が星に惹かれるのは、自分の存在がこの宇宙と繋がっていると感じたいから。
そして、自分の現在地を確認したいから。

でも、どんな星の配置も、
それ自体が「答え」をくれるわけではない。

──星は、兆しをただ映すだけ。
その示しをどう受け取るかは、読み解く者にゆだねられている。

「わたしは誰かの目覚めを助けたくて占いをしてきたけど、
ほんとうは、自分の恐れを癒したかったのかもしれない……」

ユウは深く息を吐いて、手帳にこう書いた。

伝えるとは、先に恐れを超えること

自然の中にある調和の美しさ

アイはひとり、湖の散策路を歩いていた。
足元に広がる苔、小さく顔を出す野花、根を張る木々。
すべてが、黙ってそこに“在る”ということの美しさを教えてくれる。

土に手を触れ、小さくつぶやく。

「これが地球の美」

風が葉を鳴らし、やさしく答えるように吹き抜けた。

アイは散策の帰り、ホースの水を片付けているペンションのご主人に出くわした。

「ああ、おかえりなさい。いい風が吹いていましたね。湖面に風がそよぐとね、光が一緒に舞い始めるんですよ。ほら、あのキラキラ……まるで水面で踊る小さな精霊たちみたいだ」

アイは小さく頷いた。

「はい。自然って……本当に美しいです」

「うん。自然はね、沈黙の言語を持っているから」

ご主人は手を止めて、空を見上げた。

「音も、言葉も、ぜんぶ揺らぎで、土にも波動がある。
作物の出来がいいときって、土がご機嫌なんだよね」

アイは思わず身を乗り出した。

「それ、すごくわかります。わたし、農業やってて、
この土、呼吸してるって感じるときがあって……」

ご主人はにやりと笑った。

「お、そうか。だったら、君も聴いてるタイプかな」

「聴く……?」

「土の声、風の音、体の振動。みんな楽器と同じ。
宇宙の法則ってのはね、音楽みたいなもんだ。
どの音を鳴らすかで、その場の揺らぎが変わるんだ」

アイは、静かにその言葉を胸に留めた。

(わたし、土や光、風や虫……自然の中にある調和が、ただ美しくて、それが
理論で説明できるとわかった時、その美しさがもっと立体的になった気がした。
農は、その入り口だったんだ)

ご主人は空に向かって呼びかけるように言った。

「きっと今夜は美しい満月が見られますよ」

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