銀河のリズム、地上の鼓動 ― 魂職に出会うまで ―ひびきの輪の後で④揺らぎの中で見つめるもの

共鳴小説
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ユウとアイと3人で湖畔のペンションにリトリートに行くことが決まった。

農場でのアイとのやりとりを思い出す。その日の夜にすぐ「ごめんね」とメッセージを送ったけど、農場からミカの心は遠のいていた。

銀河のリズム、地上の鼓動―魂職に出会うまで ―ひびきの輪の後で②触れてほしくなかった場所

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周囲とのズレ〜不協和音〜

アイとユウと出会い、ひびきの輪を開催し、響環ZINEをつくる中で、ミカは普段もますます自分らしく、軽やかに仕事をすることに喜びを感じていた。
テレアポの業務中も、心を整えた柔らかな響きを声にのせると、相手の反応がどこか違ってくるのがわかる。効率や数字だけではなく、”今この瞬間を楽しむ” という感覚で仕事に向き合うことで、内側からふわっとあたたかいものが湧いてくる。
「きっと、これが“波動”ってことなんだろうなぁ」
そう思うと、会社の中でひとりにやけそうになる。

けれど――

「……またミカさん、ひとりだけ楽しそうね」
「なんか、空気読んでないっていうか。浮いてるよね」

ふとした雑談の中に、棘のような言葉が混じってくる時があった。
明るく過ごすことが、なぜか誰かの神経を逆撫でする。

(別に何もしてないのに……なんで?)
ミカの中に、さざ波のようなざわめきが広がる。

「最近、楽しみながら仕事をするコツを見つけたの。それが何か悪い?」ぽろりと、口をついて出たその言葉に、自分でも驚いた。

その場の空気が、ピリリと凍る。

「……なにそれ、自分だけ正しいみたいな言い方」

ミカはその反応に、しまったと思った。
言いたかったのは「自分責任で現実を選んでる」っていう感覚。でも、今のこの言い方では、ただの“上から目線”に聞こえてしまう。
言葉がうまく届かない。わかってほしい気持ちが、また別の壁を生んでしまう。

休憩時間、ひとり屋上に出て、空を見上げる。
白い雲が、ゆっくり流れていた。

「心地よくいたいって思うのは、間違ってるのかな……」
「周りと調和するって、我慢することなの?」

心の中で葛藤が渦巻く。
でも、ふと風が頬をなでた瞬間、ミカは深く息を吸った。

(でも私は、やっぱり“皇の時代”を軸にしたい)

「楽しいが大事ってアイが教えてくれたもんね。楽しいを続けて、私も早く魂職に出会いたいわ」

その思いは、まだ確信にはなっていなかったけれど、しっかりと芯の部分で灯り続けていた。

************************

土と風と水と光、そして共鳴する仲間たち。

(やっぱり私は、新しい“皇の時代”を楽しく生きたい)
(どんなに周りと違っても、自分の中の「響き」を信じたい)

それなのに、何気ない自分の一言でアイを怒らせてしまったことには驚いた・・・

「ミカはさ、楽しいことだけやってればいいと思ってるから、
本気で生きる覚悟がないんだよ。だから魂職が見つからないんじゃないの?」

アイの言葉の意味が理解できずにいた。

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