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―ひびきの輪の後で― 月曜日の朝、いつもと違う感覚
月曜の朝、梨乃は普段と同じ電車に乗った。降りた駅でいつもと同じようにスタバでコーヒーを買い、オフィスに向かって歩く。でも、何かが違っていた。
エレベーターの中で鏡に映る自分を見ながら、梨乃は小さくつぶやいた。
「保育園の先生…か」
昨日の夜、思い切って押し入れの奥から昔のアルバムを引っ張り出していた。小学校の卒業文集に「保育園の先生になって、子どもたちと一緒に遊びたいです」と書いてある自分の字を見つけた時、胸の奥で何かが温かくなった。
「あの頃の私、確信に満ちてたんだな」
6階のオフィスに着くと、いつものように企画書のチェックが山積みになっていた。でも今朝は、その書類の向こうに、ひびきの輪で出会ったつむぎの笑顔が重なって見えた。
「おはようございます」
後輩の田中が企画書を持ってやってきた。いつもなら「ここ、もっと具体的に」「クライアントの要望とズレてる」と指摘するところだったが、梨乃は一呼吸置いた。
「田中くん、この企画、どんな気持ちで考えた?」
田中は少し戸惑った顔をした。
「気持ち…ですか?」
「うん。数字や戦略も大事だけど、これを見た人にどんな風に感じてもらいたいのかな?」
田中の目が少し明るくなった。
「じつは…お客さんが本当に喜んでくれる広告を作りたくて。でも、それをどう表現していいか分からなくて」
梨乃は微笑んだ。この子の「本当は」を聞けた。まるでひびきの輪で体験したことが、職場でも起こっているみたいだった。
「じゃあ、その気持ちを一緒に形にしてみようか」
昼休み、梨乃はいつものようにデスクでサンドイッチを食べる代わりに、外を歩いてみることにした。
オフィス街の中に小さな公園があることに、13年働いていて初めて気づいた。ベンチに座って空を見上げると、雲がゆっくりと流れていく。
「私、いつから空を見るのをやめてたんだろう」
公園の端で、保育園児たちが散歩をしているのが見えた。先生に手を繋がれて、「あ、ちょうちょ!」「お花きれい!」と声を上げている子どもたち。
梨乃の胸に、温かいものがじわっと広がった。
その時、スマホが鳴った。クライアントからの電話だった。
「はい、山下です」
いつもなら緊張する声だったが、今日は違った。公園の子どもたちの笑い声を背景に、梨乃は自然体で話している自分に驚いた。
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仕事が終わって、梨乃は久しぶりに本屋に寄った。ビジネス書のコーナーではなく、教育関係の棚に足が向いた。
「子どもとの関わり方」「創造性を育む保育」
タイトルを眺めているうちに、心臓がドキドキしてきた。怖いような、でも嬉しいような。
カフェに入って、買った本を開きながら、梨乃は小さなノートに書き始めた。
*私が本当にしたいことって何だろう?*
*接した相手の笑顔を見ること*
*一人ひとりの”好き”を見つけてあげること*
*大人も子どもも一緒に学べる場所を作ること*
*私も相手も成長できたと感じた瞬間の喜び*
書いているうちに、涙がポロポロと落ちてきた。悲しい涙じゃない。長い間忘れていた、本当の自分に会えた嬉しさだった。
魂の声が聞こえはじめる
翌日、梨乃は会議で少し違う提案をしてみた。
「このキャンペーン、もう少し親子が一緒に楽しめる要素を入れてみませんか?」
「え?でも、ターゲットは20代女性ですよね?」同僚が疑問を投げかけた。
「そうですけど、20代女性の中にも、子どもの頃の純粋な気持ちは残ってると思うんです。そこに響く広告って、きっと印象に残ると思いませんか?」
会議室に一瞬静寂が流れた後、部長が「面白いね」と言った。
帰り道、梨乃は思わずユウに電話をかけていた。
「ユウさん、少しずつだけど、自分の中で何かが変わってきてる気がします」
「そうなんですね。どんな風に?」
「仕事中に、ふと子どもたちのことを考えてる自分がいるんです。それで、企画を考える時も、その視点が入ってきて…なんか、楽しいんです」
電話の向こうでユウが微笑んでいるのが分かった。
「梨乃さんの魂が、ちゃんと道を教えてくれてるんですね」
「でも、まだよくわからないんです。このままでいいのか、何かもっと行動を起こすべきなのか…」
「焦らなくていいと思いますよ。今はまだ、種が芽を出したばかり。水をあげて、太陽に当てて、様子を見る時期かもしれません」
電話を切った後、梨乃は夜空を見上げた。
「ひびきの輪で出会ったみんなは、今どうしてるんだろう」
星が静かに瞬いていた。まるで「大丈夫だよ」と言ってくれているみたいに。
梨乃の中で、新しい季節が静かに始まろうとしていた。
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