銀河のリズム、地上の鼓動 ―魂職に出会うまで⑩ はじまりのささやき―尚子の目線

共鳴小説
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朝の光が、カーテンの隙間からやわらかく差し込んでいた。
尚子は、静かに目を開けた。少し前までなら、起き抜けに浮かぶのは今日こなすべきタスクの数々だったはず。でもこの朝は違った。

――つむぎの笑顔が浮かんだ。

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はじまりのささやき―尚子の目線

あの日、「ひびきの輪」で出会ったみんなと過ごした時間が、まだ体のどこかに残っているようだった。
響き合う場で、つむぎが見せたあの表情。緊張した顔つきがふっと緩み、誰かの言葉に静かに頷いていた瞬間。あれは、間違いなく「つむぎの素(す)」だった。

(変わったのは、つむぎだけじゃないかもしれない)

尚子は、そっと胸に手を置いた。
ここ最近、何かがふわりと動き出しているのを感じる。それは、日々の中で見過ごしていた「自分自身」の声。

「ちゃんとしなきゃ」「母親として」「大人として」――そんな肩書きに埋もれて、ずっと聞こえなかった音が、やっと小さく響き始めていた。

朝食の準備をしながら、尚子はふと口ずさんだ。小学生の頃に好きだった歌。つむぎが生まれてからは一度も思い出したことのないメロディ。

「なんで今これ、思い出したんだろう…」

答えはわからない。でも、その歌がなぜか心地よかった。
ふとした拍子に自分がほころんでいる。そんな自分に気づけたのは、もしかしたら人生で初めてかもしれない。

午後、つむぎ宛に届いた郵便物を二人で開けてみた。

つむぎの描いた絵が載せられている「響環ZINE vol.4」が入っていた。

「わたし…また、おねえさんたちにお手紙を書きたい」言葉だけじゃない。声のトーン、表情、目の奥に宿る光――つむぎの全部が、少し前とは違っていた。

尚子は思わず、娘の肩をそっと抱き寄せた。

「…ありがとう。つむぎ」

つむぎが首をかしげた。

「え? なにが?」

「なんかね…つむぎを見てると、わたしも、自分をもっと大事にしたくなるの」

それは、自分でも驚くような言葉だった。
でも、言葉にしたことで、胸の奥の何かがふわりと緩んだ。

ふと思い立って、尚子は久しぶりにノートを開いた。ページの隅に「本当の自分を生きるって、どういうことだろう」と書き留める。
それは問いであり、宣言でもあった。

皇の時代――それは、誰かに従うのではなく、自分の内にある響きを聴く時代。
共に育ち合う「共育(きょういく)」の中で、つむぎだけでなく、尚子自身もまた魂の目覚めと自立の入り口に立っていた。

響環ZINE vol.4

「祖の時代の終焉に皇の感性で生きる」響環ZINE vol.4 ①祖の時代の構造と終焉のサイン

「祖の時代の終焉に皇の感性で生きる」響環ZINE vol.4②星たちが語る「自立と責任」

響環ZINE Vol.4「祖の時代の終焉に皇の感性で生きる」③響きの余白 

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