共鳴小説【皇の時代】魂の旋律が、言葉を超えて触れ合うとき⑥リトリート3日目・夜明けの夢

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~リトリート3日目・夜明けの夢~
湖の水面が、まばゆい金色に光っている。

そこに立っているのは、ミカ、ユウ、アイ。けれど、それぞれ今の姿とは少し違っていた。衣をまとい、言葉ではなく響きで会話しているようだった。

空から降りてきた一本の光の柱が、彼女たちの中心にそっと降りる。

その中から、白く輝く存在が現れた。

その存在は言う。

「あなたたちは、元は一つの“音”だった。」

ミカたちは、その声を聴くのではなく、“感じ取る”。

「その音は、この星の変化を導くために、三つに分かれた。」

「一つは“地”に降りて、現実の中に根ざした叡智となった。」

「一つは“天”にのぼり、見えざる意図を読み解く力となった。」

「そして最後の一つは、“心”に宿って、人々をつなぐ響きとなった。」

「再び出会い、音を合わせる時が来た。」

「あなたたちの音が重なり合うとき、この地に“響環”が生まれる。」

夢の中でミカは、アイとユウの手を取り、円になって祈った。
すると、金の光が空高く立ち上り、空に美しい環のような波紋を広げていった――

「……あれ?」

ミカは自分の頬に涙が伝っているのに気づいた。
夢の余韻があまりに鮮明で、まだ金の光がまぶたの裏に残っていた。


~朝食のテーブルにて~
窓から差し込む朝陽が、テーブルの木目を柔らかく照らしている。

奥さんが焼きたてのパンを運んできてくれる中、ミカは少しそわそわとしながら、パンをちぎる。

「……ねぇ、ちょっと聞いてもらってもいい?」

ユウとアイが顔を上げた。

「今朝、不思議な夢を見たの。わたしたち3人が、湖の光の中に立っていて…“音”だったって言われたの。“もともと一つの音だった”って」

「音…」とユウが目を細めた。

「それが、地・天・心に分かれて降りてきたって。で、また出会って、音を重ねる時が来たって言われたの」

ミカの声が震える。

「夢なのに、現実よりリアルだった。すごくあたたかくて、懐かしくて、…本当に“魂”で聞いた気がするの」

アイが、そっと口元に手を当てた。

「…ミカ、実はわたしも、似たような感覚で目が覚めたの。なぜか、朝から“今こそ始める時だ”って、胸の奥が言ってる気がして」

ユウもゆっくり頷いた。

「その夢、たぶん、“わたしたち自身”からのメッセージなんだと思う。過去でも未来でもなく、“今ここ”を始まりにするために」

ミカは小さく笑って言った。

「夢の最後でね、三人で手をつないで、金色の光を空に放ったの。その時、空に大きな“環”が広がって…」

「それが、“響環”だよ」

アイが断言するように言った。

「私たちは、もともと一つの音。だから、分かち合える。だから、響き合える。だから、伝えられる」

ユウが深く頷く。

アイがパンをちぎりながら、ふとつぶやいた。

「なんだか…はっきりしたね。やっぱり、わたしたちで始めた“響環プロジェクト”を続けていこう」

ユウがコーヒーカップをそっと置き、静かに言葉を継ぐ。

「うん。もう“感じたこと”を曖昧にしなくていい。“本当”を生きていいんだよ」

ミカはぱっと顔を上げて、目を輝かせた。

「ねぇ、それなら、私の見た夢もきっと本当のことだよね」

3人の目が、交差する。3人の間に、朝陽よりもあたたかな光が宿っていた。

笑顔がテーブル越しに交差し、光が柔らかくその輪を包んでいた。

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