【共鳴小説】銀河のリズム、地上の鼓動-わたしたちは響き合うために出会った-4

共鳴小説
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農場の空に、夕陽がオレンジ色のレースを広げた日。三人は、それぞれの暮らしへと帰っていった。

けれど心の中には、確かに何かが残っていた。あの土の感触、風の音、会話の余韻。そして…始まりの日常。

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都会の中で「感じる」ことを実践する〜ミカ〜

月曜の朝。ミカはいつものように朝の電車に揺られながらイヤホンをしてオフィスビルの中に向かっていた。
でも、いつもと違ったのは、風の流れを感じようとしていたこと。ミカは少し立ち止まり、空を見上げた。
「…あ、空気がちょっと柔らかい。昨日、雨降ったのかな」

ちょっとした自然に目を向けることで、心が少しだけ豊かになるのを感じた。

テレアポの仕事もこれまでなら、相手に断られるとイライラしたり、ちょっと落ち込んだりしていた。でも今日は、声の“奥にあるもの”を感じ取ろうとしてみた。

――この人、疲れてるのかな。
――もしかして、自分の言葉を聞いてもらいたかったのかも。

返ってくる言葉の裏にある、“響き”に耳を澄ます。

そうすると、不思議と、言葉を選ぶ自分がいた。
“売る”んじゃなくて、“届ける”って感覚。

仕事が終わって帰り道。
自販機の缶コーヒーを買って、空を見上げた。

「さすがに銀河まで思いを馳せたことはなかったなぁ」

あのときアイが話してくれた「銀河のリズム」、ユウが教えてくれた「銀河の呼吸」のことが気になっていた。目を閉じて、深く吸って、吐く。たったそれだけで、内側に静かに波紋が広がる。

「ちょっとだけ、誰かと響けたかも」
共鳴の余韻は、ちゃんと、ここにも続いていた。

見えない世界との共鳴を“ことば”にする〜ユウ〜

ユウは帰ってすぐ、SNSのライブ配信をした。

「こんばんは、ユウです。今日は、少し不思議な話をしますね」

そう言って、農場で感じた“土の声”や、“音なき音”について話した。

以前は、この感覚を怖くて誰にも言えなかった。でも今は違う。
アイとミカの存在が、ユウの中の“封印”を解いてくれた。

“理解されなくても、伝えることが必要”だと思えた。言葉にすることは、波を送ること。

視聴者のコメントに目を通しながら、ひとつひとつ丁寧に返す。

「そんな風に自然と繋がれるなんて、素敵ですね」
「私も、似た体験があります」
「誰にも話せなかったけど…勇気出ました」

たった一人でもいい、響いてくれる人がいるなら。

“私のこの手で、星の光を言葉にして日常に降ろす”

共鳴は、届けることで生まれる。
ユウはそう信じて、言葉を紡いでいく。

土と共に“今ここ”を生きる 〜アイ〜

アイは相変わらず、朝陽とともに畑に出た。

空は広く、風は柔らかく、あの日の農場の記憶と今の光景が重なって見える。

目に映るものは何も変わっていないはずなのに、
アイの中では、すべてが新しく感じられた。

それは“伝えられる人がいる”という実感。

種を蒔く手に、喜びがあった。
水をまくたびに、“この地球と響いてる”と感じた。

少しずつ、農場を開放するイベントを企画しはじめた。
「感じる農業体験」や「地球とつながるワークショップ」

“スピリチュアル”でも、“環境活動”でもない。導かず、共に震える存在であるために、ただ「共鳴を実感する場」をつくりたかった。

わたしはわたしの場所でこの“芽”を育てていく

遠く離れていても、ミカとユウがそこにいてくれる感覚があった。
SNSでの小さなメッセージのやりとりが、日々の灯火になっていた。

「私の場所で、できることをやっていこう」

静かな火を、灯し続ける

三人は、それぞれの場所で、小さな一歩を踏み出していた。

彼女たちの日常は、かつてのそれとは少しだけ違う。
ほんの少しだけ、景色の奥行きが深くなった。
風の温度に、星の瞬きに、草の匂いに、意味が生まれた。

遠く離れていても時々メッセージを送り合いながら、
それぞれの場で“響きの灯”を守っていた。

派手な変化はない。
大きな奇跡も起こらない。

でも、確かに何かが変わっていた。
彼女たちの世界は、少しずつ、新しい時代に向かって動き始めていた。

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