共鳴小説【皇の時代】魂の旋律が、言葉を超えて触れ合うとき⑨ 新たな響環の輪の広がり

共鳴小説
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夏の日差しがまだ高く残る夕方。
アイは、農場の離れにある小さな作業小屋に設置されたパソコンの前に座っていた。

画面には「ミカ」「ユウ」の名前が表示され、ピロン、とZoomの呼び出し音が鳴る。

「やっほー!ミカだよ!」
「こんばんは、ユウです」
二人の声が、パソコンのスピーカーから同時に飛び出してくる。

「二人とも、集まってくれてありがとう」

アイの表情は、清々しく晴れやかだった。

「うん、なんか…どうしたの?いいことあった?」

アイは頷き、画面共有ボタンを押す。

「じつはね、ホームページを作ったの。ぜひ二人に最初にお披露目したかったんだ」

映し出されたのは、まだシンプルだけど、土と光を感じさせるデザインのトップページ。
タイトルは──

「 EARTH HARMONY LABO|地球と響き合う農場共鳴研究所」

「……わあ、すてき」
ミカが目を輝かせた。

「お父さんもわたしもこの農場を“響きの研究所”にしたいっていう気持ちがね、同じだったの」

「研究所……?」
ミカが少し首をかしげると、ユウが静かに言葉を補った。

「きっと、“生きた体験から真理を探る場所”ってことだよね」

「そう。科学だけじゃなくて、意識とか、宇宙のリズムとか…。この土の上で何が起きてるのか、心と体で感じたことを、ひとつずつ記録していこうと思って」

アイの声は、深く澄んでいた。

「今日、書いたのはトップページのメッセージだけだけど、“誰かの真似じゃない表現”ができた気がしてる」

「読んでいい?」とミカ。

画面に映し出された冒頭の一文に、三人の間に静寂が流れた。

『この農場は、地球と人が響き合う“ラボ”です。
わたしたちは、日々の暮らしの中に宇宙の法則を見つけています。
大地の呼吸、植物の意図、水の記憶、そしてわたしたち自身の波動。
すべてが繋がり、すべてが語りかけてくる世界を、ここから伝えていきます。』

「……アイ、鳥肌立った」
ユウの声がかすかに震えていた。

「“波動”って、なんか怪しく聞こえるかもって思って、今まで避けてきた言葉だったんだけど……。アイが言うと、すごく“実在”として響いてくる」

ミカが頷いた。

「ねえ、今まで作った響環ZINEもこのホームページに載せられる?」

「もちろん!むしろ、こちらからもお願いしたいと思ってた!ユウも、星のこと書いてくれたら絶対面白いよ」

アイが微笑むと、ユウは小さく頷いた。

「うん……星の配置と、人のエネルギーの関係とか。ずっと誰かに伝えたかった。“波動設計士”として、初めての発信になるかもしれない」

その言葉に、ミカがぽんと手を打った。

「やっぱり、響環だよ、これ!わたしたちが出会ってから、ずっと準備してきたことが、ここから新たにまた始まってく感じがする!」

「そうかもね……」
アイは深くうなずいた。

「ここも“場”になる。わたしたちが、何を感じ、どう変化しているのか。それを外に開いていくことで、同じように響き合う人たちと、もっと出会っていけると思うの」

ユウが最後に、そっと言った。

「言葉って、本当の想いに触れると、情報じゃなくて“振動”になる。
……このページは、もう“響いてる”よ。アイの魂が」

画面越しの3人は、言葉のあとに訪れた沈黙を、優しく包み込んでいた。

──これが、響環のはじまり。
“自分の本音”から放たれた言葉が、誰かの魂に触れた瞬間だった。

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